従来のあり方や概念に新しい風を吹き入れようと願う五つの領域(社会における絆両翼たる女性と男性信じることの自由宗教の社会の中での役割メディアの役割の推進のために、さまざまな分野で活動する方々や団体と協力していくことを、私たちは望んでいます。セミナーや話し合いへの参加の機会をいただける場合は、ぜひご連絡ください。

私たちのアプローチ:
これら五つの領域の取組みで希求するのは、誰しもが願う、公正で安全な社会です。その実現には、手段と目的が首尾一貫している必要がある、と私たちは考えています。社会のさまざまな局面でよく耳にする言葉に「多様性」があります。ともすれば、分裂、混沌という事態を引き起す可能性を孕んだこの概念が平和で公正な社会の実現に役立つととらえるには、「和合」という概念の導入が欠かせません。その和合の確立には、誰もが機会を手にできるよう公正さが敷かれること、様々な意見や背景を尊重しながら、それぞれを一つの全体像を構成する不可欠な部分として視ることが求められます。このように、世代をまたいだ長い時間と道のりを要することも、目的と手段が一致することで実現可能性は高まります。

問いかけ合い、何が課題であるかを探求するプロセスも大切です。議論を戦わせたり、意見を同じくする人々と徒党をつくり、考えが相容れない相手と敵対することがあまりに常態化した文化の中で私たちは暮らしています。その環境にあって私たちが目指しているのは、解決困難な社会問題を敢えて問うことで、対話をうながし、ともに振り返る空間づくりです。何が問題であるかを問い、協議し、行動し、振り返るという一つのプロセスに皆ともに関わることで、学び合い、理解を高めることができるということは、私たちの世界各地の友人たちの経験からも実証されています。

こうした精神をもって、私ども外務局は、社会の進歩に関連する問いかけに、バハオラの教えと共同体自体の経験を拠り所にした視点を寄与することに努めています。

協議:
バハイ共同体では、意思決定が求められる議題についての話し合いに、「協議」とよばれるバハオラの教えに基づく形式に従っています。提供する意見は、正確なデータや情報に基づいた現実対応策となる点を特徴とします。自分に形勢有利にしたいという私欲を排し、公益性が高い合意に達することを目指します。意見は堂々と率直に述べ合うことが勧奨されますが、その前提条件が、参加者間に愛ある友情が育まれていることです。しかも、祈りに満ちた精神、相手への敬意、謙虚さ、忍耐、決定事項には離脱の精神で従うという資質が参加者に求められます。地域社会を基盤にした地方から全国、さらには各国代表によって選出される国際的なレベルに至るまで、あらゆるバハイ行政機構での話し合いはこの協議をもって進められますが、協議は共同体内の諸事の取り決めに役立つにとどまりません。家庭内での家事・支出分担についての話し合いにも、企業内の経営会議にも高い有用性があります。