「その時代に必要とされるもの、また、
急務とされることに汝らの審議を集中せよ。」
-バハオラ
日本バハイ共同体の外務局は、当共同体の広報、渉外機関として政府、メディア、市民団体等との協力関係構築に努めています。
経済格差やいじめ等の社会問題は、国内メディアで頻繁に取り上げられてきました。さらに海外にも目を向けてみると、21世紀では以前にも増して、宗教、民族、政治的思想など多くの局面で分断があらわになったと言えるのではないでしょうか。物流や交易、外交や民間の様々な国際交流を通して、あらゆる形で日本はそれ以外の地域と密接な関わりをもっており、課題も共有されています。昨今の新型コロナウイルス感染症の蔓延では、国家間の移動が大きく制限された反面、世界全体を覆う難題の解決にはあらゆる人々の協力が前提となることが肌で感じられるようになりました。日本で整備や改善が必要とされる社会環境は、既存の対策では十分に対応できないということは目に見えて明らかになり、時期を同じくして深刻化した世界の諸地域における不協和からも、人々は市民間、家族間、同僚間、機構間、国家間等、あらゆる層での関係性を捉える概念の刷新を迫られているという現実が日々、表面化してきています。
19世紀のペルシャにあらわれたバハオラは、その非常に広範に及ぶ教えの中で、人類は一つ、科学は宗教と調和し、女性は男性と同じ権利をもつと説きました。これらの考え方は世界で徐々に普及していると見ることもできますが、その反面、無意識のうちに分断化を進めたり、差別を当然視するような態度が日常に潜んでいることには多くの人々が気づいています。
私たちの日々の言動、さらにそれらを省みることの効果は、私たちのもつ基準や認識にかかっており、こうした基準や認識こそ、個人、共同体、機構のあり方を変容し、私たちの発展を促す環境をつくりあげることの基礎となります。このような観点から、日本バハイ共同体外務局は、社会における絆、性の平等、 信じることの自由、宗教の社会的役割、メディアの役割といったテーマのもとで、学びと意義ある対話の促進を目的とし、活動しています。